第一シリーズ、「暗黒期三部作」

ウルティマ1
副題、The First Age of Darkness (第1暗黒期)
1980年

( Map )
敵対勢力、モンデイン(例のUOのオープニングムービーで登場する魔法使いです。)
【解説】
この作品の前年(1979年)高校を卒業したばかりのリチャードギャリオットはたった一人で世界初のコンピューターRPG「アカラベス」を自費製作しました。謎の魔導師モンデインがアカラベス国の征服をねらうという物語です。この作品がゲームメーカの目にとまり、ウルティマという作品が世に出ることになりました。もちろん最初からシリーズになるなど夢にも思っていません。1本きりの作品として「ウルティマ1」は登場しました。
【あらすじ】
モンデインのお父さんは立派な魔法使いでした。ところが息子のモンデインは魔法使いとしての才能は凄いものがありながら、性格がゆがんでいました。魔法で動物を次から次へと殺して楽しんだりしていたのです。モンデインが15才になったときにお父さんはモンデインを呼んでこう言いました。
「モンデイン、おまえは今のままでは魔法使いとして失格だ。よって今日から修行に出す。その厳しい修行を乗り越え慈悲と謙譲の心を身につけたら、この太陽の力を持つという魔法のルビーの玉(宝珠)をあげよう。」と。
ところがその夜、なんとモンデインは父を殺してそのルビーを奪ってしまったのです。
その魔法のルビーをブラックジェムに変えたモンデインは地獄の悪魔やモンスターを呼びだし、ソーサリアを暗黒の世界として支配しました。そしてソーサリアをブラックジェムに閉じこめ、自分は1000年過去の世界からソーサリアを支配するという無敵の体制を作りました。
あらゆる策がなくなったロードブリティッシュは銀の蛇のペンダントを握りしめました。
するとそうです、地球から一人の男が現れたのです。
伝説の男、将来アバタールと呼ばれることになるその男はロードブリティッシュの願いを聞き入れ、モンデイン討伐の旅に出ました。

その男はソーサリアの様々な怪物を倒し、スペースシャトルに乗って宇宙に出向き、タイムマシンに乗って1000年前の世界に行き、そこでついにコウモリに変身したモンデインを追いつめ息の根を止めるのです。ルビーの宝珠はこなごなに砕けソーサリアは解放されました。
【UOとの関係】

・ロードブリティッシュ城と魔法使いの街ムーン
まだブリタニアの地形も地名も現在とは似ても似つかないものです。(地図参照)わずかにロードブリティッシュ城と魔法使いの街としてムーングロウの前身と思われる「ムーン」という街が登場するくらいです。

・UOの時代設定はオープニングムービーによると、このウルティマ1に続く時代です。モンデインが倒れた時、手にしたルビーの宝珠が砕け散ってたくさんのソーサリア(シャード)が出来たわけです。シャードとは破片のことです。
そこでUOをプレイされる方は是非、ウルティマ1ウルティマ2の時代背景を頭に入れて置いて下さい。
*但し、UOとウルティマシリーズは歴史展開に整合性がありません。ご注意ください。




ウルティマ2
副題、The Revenge of the Enchantress (第二暗黒期)
1982年

( Map )
敵対勢力、ミナックス
【解説】
ウルティマの続編として作られた作品ですが、これまたシリーズ化するなどと考えて作ったわけではなく、1本だけの続編ということで作られた作品です。
また、ウルティマ2は数々のウルティマシリーズの中で唯一地球をも舞台にした物語です。
【あらすじ】
モンデインの弟子であり愛人でもあったミナックスという女魔法使いが復讐に燃えてブリタニアを攻撃します。ミナックスはモンデインよりもさらに邪悪なエネルギーを持った時を操る魔法使いでした。
ミナックスはソーサリアの各地にタイムドアという時間や空間を飛ぶことの出来るドアを設置しました。それによりこの物語は「伝説の時代」「パンゲアの時代」「紀元前」「未来」「崩壊後」の5つの時代を股に掛けて繰り広げられます。
ミナックスは時をさかのぼり過去を書き換えることで、伝説の男の誕生を阻止し、モンデインの滅亡さえ書き換えてしまおうと企てたのです。(うーん、「ターミネーター2」みたいだ。す、すごい発想。^^;)
ロードブリティッシュは時代をさかのぼり地球のイギリスに出かけ、伝説の男の誕生を守り抜きました。やがて成長した伝説の男は再びロードブリティッシュの呼びかけに応えて、様々な冒険の後、伝説の剣クイックソードを手に入れついに宿敵ミナックスを倒すことが出来たのです。
【UOとの関係】

・ムーンゲートの前身
タイムドアはミナックス無き後、時の魔法が解け、空間を移動出来るだけのものになりました。それがその後ムーンゲートと呼ばれ出しました。

・オーク
オークは魔法によって生み出されたモンスターと思われていましたが、この時代、自然種のオークが発見されました。そのオークは性格もおとなしく、人間と交じって生活をするようになり、様々なお店でも店員として見かけるようになりました。
UOのオークとはちょっと違いますね。(^^);

・ミナックス
ウルティマオンラインルネッサンス(UOR)はミナックスの襲撃よりスタートしました。ミナックスの激しい攻撃はトリンシックが陥落するまでに至り、ついにロードブリティッシュはフェルッカのブリタニアを捨て、平行世界であるトラメルのブリタニアに退避したのです。現在のUOの設定では、トラメルはロードブリティッシュがフェルッカはミナックスが支配しています。




ウルティマ3
副題、Exodus (第三暗黒期)
1983年

( Map )
敵対勢力、エクソダス
【解説】
ウルティマ3部作の最終作品としようという意図の基に作られた作品です。1と2と3にはソーサリアの地形も、文明の中身にも、様々違いがあります。
この何も考えずに(す、すみません。^^;)作った1から3のシリーズを後から説明付けするためにリチャードギャリオットは大変苦労しました。お陰でこの時代のソーサリアは地核変動期とされてしまいました。(^^);;;;
この時期兄ロバートギャリオットの協力のもと、オリジン社(OSI)が設立されました。
【あらすじ】
エクソダスはモンデインとミナックスの子供とも言われますが、その実体は人工知能を持ったコンピューターだったのです。このコンピューターにモンデインとミナックスは全ての邪悪なものをデータとして取り込んでいました。そして、時がたちある条件が整うと、恐ろしいプログラムが作動する仕掛けになっていたのです。そのプログラムはモンデインが死にミナックスが死んだ後も着々と進行していたのです。
ある日、ブリタニアの海に海中から突然炎の島が浮かび上がりました。そして、その島の付近を通過した船の乗り組み員が全員行方不明になるという事件が起こりました。その時、その船の看板に書かれていた謎の文字が「Exodus」だったのです。
そしてそれと時を同じくして、ブリタニア中で、モンスターが出没し民衆が襲われ始めました。これを恐ろしい敵の仕業と見抜いたロードブリティシュは三度あの男を呼ぶことにしました。
銀のペンダントを握りしめると、なんと今度は4人の男が現れました。そうです。ウルティマ3からパーティシステムになりました。伝説の男は3人の仲間を連れ、エクソダスの謎に挑みました。そして最後にエクソダスをコンピューターと見抜いた伝説の男は、コンピューターなら破壊のプログラムがあるはずと読みとったたのです。
その破壊のプログラムこそ4つのカード、愛(Love)、太陽(Sol)、月(Moons)、死(Death)だったのです。
*ここら辺からウルティマはただのRPGから哲学へと次第に変化していきます。ただのゲームだと思ったら大間違いです。(^^);
【UOとの関係】

・トラメルとフェルッカ

ブリタニアの各地を結ぶムーンゲートが設置されています。そのムーンゲートは研究の結果ブリタニアの二つの月フェルッカとトラメルの満ち欠けに影響があることがわかりました。
UOでもつい最近までムーンゲートは二つの月の満ち欠けで行き場所が決定していました。(現在は選択した場所にいけます。)現在ブリタニアはフェルッカ世界とトラメル世界に分かれていますが、これはブリタニアの二つの月の名前だったのですね。ちなみにフェルッカとは地中海沿岸航行用の帆船、フェルッカ船のことで、トラメルとは束縛とか拘束とかいう意味があります。

炎の島 (Island of Fire)=ヒスロス

炎の島とはUOではヒスロス島のことです。ヒスロスでルーンをマークをすると "Island of Fire"と地名が刻まれます。炎の島では様々なドラマが展開されます。
そのドラマを思い浮かべながら是非もう一度ヒスロス島探索をお楽しみください。
ちなみにアバタール島というのもヒスロスのことです。

・RECDU、RECSU

UOでは新大陸(T2A)と旧大陸を結ぶ移動の呪文ですが、ウルティマ3ではダンジョンの階層を移動する魔法の呪文として登場します。




第一期三部作 「暗黒期」完結

モンデイン、ミナックス、エクソダスという悪の化身を倒す剣と魔法の世界ソーサリア。
ここまでの物語は世界中のRPGの基本となりました。
ソーサリアにおいてはブリタニアの統一過程、そして地殻変動によりその都度、大陸も街もどんどん姿を変えていくというのがこの時期です。

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